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  3. 彌彦神社の新年の祭事、弓始神事

神秘的な現象オーロラを映像で体験

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古来から人々の信仰を集めてきた越後一宮彌彦神社。平成27年には大正時代の再建から数えて御遷座(ごせんざ)百年を迎えました。
神社では、毎年1月7日に五穀豊穣と厄よけを祈願する「弓始神事(ゆみはじめしんじ)」が行われます。

「弓始神事(ゆみはじめしんじ)」で行われる「百射の儀」。

拝殿における祭典の後、神職らが100本の矢を放つ「百射の儀(ひゃくしゃのぎ)」を、100年記念事業として新築された弓道場で拝見しました。


厄払いの縁起物、弓矢に祈りをこめて

彌彦神社の拝殿。

1月7日の彌彦神社。初詣ほどではありませんが朝から参拝客が絶えず訪れています。
「弓始神事(ゆみはじめしんじ)」の立て看板が、古来より大切に守り伝えられてきた特別な神事があることを知らせています。

御遷座百年を祝して新築された弓道場。

昨年までは拝殿の脇に仮設の射場を設けて神事を行っていたため、新しくなった弓道場で神事が行われるのは今回が初めてのこと。明かりが点(とも)され、神事の支度が整っています。

拝殿で「弓始神事」の祭典が行われます。

彌彦神社の権禰宜(ごんねぎ・神職のひとつ)、髙橋良直さんにお話をお聞きしました。
弓始神事の始まりは定かではありませんが、室町時代の文明2年(1470)に行われた記録が同社に残されています。
矢そのものに悪いものを寄せ付けない力があり、新年の神事にふさわしいと言います。
午前9時、袴姿の神職と弓道家たちが拝殿に集まりました。 「ドン、ドン、ドンドンドン…」と太鼓が鳴り響き、祭典の始まりです。

特殊神饌の一つ、「山鳥」がお供えされる。

神職たちが神饌(しんせん・神様に供える飲食物の総称)をお供えします。セリやニンジン、クリが入った七草粥やお神酒もあります。
中でも特別なのが「山鳥」です。
同神社の祭典で鳥がお供えされるのはこの神事だけで、山鳥であるキジが捧げられました。

次々にお供えされる特殊神饌。

魚や野菜・木の実なども次々と運ばれ、お供えされます。

天地四方に向けて弓を鳴らす「鳴弦の儀」。

祝詞(のりと)があげられ、次は「鳴弦の儀(めいげんのぎ)」です。 権宮司(ごんぐうじ・神職のひとつ)が弓始神事の統括者である弓太郎(ゆうたろう)、禰宜が補佐役の弓次郎(ゆうじろう)を務め、「ビィン、ビィン…」と弓を鳴らして天地四方の悪いものをお祓いしました。

射場には大勢の見学者が訪れていました。

弓道場に移動すると、観客やアマチュアカメラマン、テレビ局など大勢の人が集まっています。
射る距離は約30メートル。的(まと)は競技仕様のものより大きくて直径約60センチです。

「百射の儀」が始まりました。

狩衣(かりぎぬ・神職の神事の際の服装)姿の神職と、秋に行われる新潟県奉納弓道大会で良い成績を修めた弓道愛好家ら、合わせて10人が、一人10本ずつ、全部で100本の矢を射る「百射の儀(ひゃくしゃのぎ)」が粛々と進められました。
新しい射場のまばゆい輝きの中、優雅な立ち居振る舞いに観客の視線が注がれます。
神経を集中してゆっくりと弓が引かれ、「カツッ」と乾いた音と共に矢が放たれました。

的は神事用の大きなものです。

「パスッ」と矢が的に刺さりました。その迫力に、皆が息をのみます。

弊振り役が判定します。

「あた〜りぃ〜」と弊振り役(へいふりやく)の大きな声が響き渡り、観客席から「お〜っ!」と歓声と拍手が沸きます。

当たると棒を土に刺して立てます。

矢が当たった人は棒を一本立てます。雪があれば雪に刺すのですが、今年は雪がないため土に刺していました。
百本のうち何本当たったかを後で数え、その年の吉凶を占うそうです。

的の裏に回ると、何やら盛り土があります。

射場の反対側へ行こうと的の後ろに回り込むと、盛り土のようなものがありました。

小さなほこらが作られています。

中に何か入っています。
髙橋さんによると、こちらは悪神様(あくじんさま)と呼ばれる神様の形代(かたしろ・神霊がよりつくように作るもの)とのことです。 白い紙を人形(ひとがた)に切り抜き、例年は12体、うるう年の今年は13体を、的のちょうど裏になる場所に仕掛けます。悪いことを追い払う意味で射るのです。
ほこらは通常雪で作りますが、今年は雪が降らないので土になったようです。

一般奉射が始まりました。

午後からは一般奉射が行われました。弓道大会で上位を修めた弓道愛好家の約30人が3人ずつ並び、一人4本ずつ矢を放ちます。
この道50年の名人もいらして「無心で射らないといけないんだけど、なかなか難しいよね」と笑いながら話してくれました。毎年この神事で身も心も引き締まるそうです。

気温がぐっと下がって雪がちらついてきました。
今年の「百射の儀」は100本中59本が命中。昨年より少ないですが、がっかりしなくてもいいそうです。
寒さも吹き飛ばす新年の厳かな神事には、訪れる人々にやる気をみなぎらせる力があります。

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弥彦観光協会

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